
若草物語
朗読で味わう

ルイーザ・メイ・オルコット(1832 – 1888)
1868年
若草物語は、南北戦争時代を背景に、マーチ家の四姉妹が成長していく姿を描いた感動的な物語です。家族の絆、友情、そして夢を追いかける姿は、時代を超えて多くの読者の心を捉え、今もなお愛され続けています。
暖炉の火が、ぱちぱちと心地よい音を立てています。使い古された居間の壁には、楽しげな影が揺らめいて…。クリスマスが、もうすぐやってきます。そこに集うのは、マーチ家の四姉妹。けれど、その声にはどこか不満の色が滲んでいました。「プレゼントがないクリスマスなんて、クリスマスじゃないわ」[1] 絨毯に寝そべったまま、ジョーが唇をとがらせます。すると、いつも優しいベスが、隅っこからそっと言いました。「私たちには、お父様とお母様、それに、お互いがいるじゃない」[3] そんな時、一通の手紙が届きました。遠い戦地にいるお父様からの便りです。少女たちのおしゃべりがぴたりと止み、部屋は期待に満ちた静けさに包まれます。お母様が、その手紙を広げ、落ち着いた声で読み始めました。そこに綴られていたのは、戦地の苦労ではありません。愛する娘たちへの、願いでした。「我が『リトル・ウィメン』たちが、心の中の敵と勇敢に戦い、見事に自分自身に打ち克ってくれることを…」[12] お父様の言葉は、さっきまでの不満をすっかり洗い流し、姉妹たちの心を温かい光で満たしました。お母様が言います。「私たちの荷物はここに、道は目の前にあります。善と幸福を求める心が、たくさんの困難や過ちを乗り越え、本当の安らぎへと導いてくれるでしょう。さあ、私の小さな巡礼者たち。今度は遊びではなく、本気で旅を始めてごらんなさい」[14] そして、クリスマスの朝。少女たちが目を覚ますと、それぞれの枕元に、深紅の表紙の小さな本が、一冊ずつ置かれていました。