
ドリアン・グレイの肖像
朗読で味わう

オスカー・ワイルド(1854 – 1900)
1890年
美貌の青年ドリアン・グレイが若さを保つ代償に、肖像画が醜く老いていく物語。快楽を追い求める彼の魂の腐敗を映し出す絵は、美と罪の深い関係を問いかける。人間の業を描いたゴシックの傑作。
むせかえるような花の香りに満ちた、ロンドンのアトリエ。部屋の中央、イーゼルに立てかけられているのは、息をのむほど美しい青年の肖像画です[5]。画家のバジルは、友人のヘンリー卿に打ち明けます。「この絵は発表できない。あまりに自分を込めすぎたんだ[7]」と。
そこへ、絵のモデル、ドリアン・グレイ本人が現れました。ヘンリー卿は、まるで魔法のような言葉で[19]、ドリアンを魅了します。「人生の目的は自己の実現だ[17]。誘惑を取り除く唯一の方法は、それに屈することだよ[18]」
ヘンリー卿のささやきは、ドリアンの耳に鋭く響きます。「若いうちに若さを実感したまえ。生きるんだ!君の中にある素晴らしい人生を![23] 若さ!この世に若さ以上のものなど何一つない![24]」
その言葉は、ドリアンの中に恐ろしい自意識を目覚めさせました。彼は完成した肖像画を見つめます。自分は年老い、醜く、おぞましくなるというのに[26]、この絵だけは永遠に若いままだ[26]。消えることのない美しさへの嫉妬に圧倒され[28]、ドリアンは絶望の中で叫びます。
「僕がいつまでも若くいられるなら……。この絵が僕の代わりに年老いてくれるなら!そのためなら、何だって捧げる!そうだ、僕の魂だって![26]」