
統治二論
解説で学ぶ

ジョン・ロック(1632 – 1704)
1689年
ジョン・ロックの『統治二論』は、自然権と同意に基づく統治の原則を提唱し、近代政治思想の基礎を築きました。王権神授説を否定し、人民に主権があることを大胆に論じた本書は、自由民主主義の礎として今なお多くの議論を喚起します。
「反乱」と聞くと、民衆が支配者に立ち向かう姿を思い浮かべますよね。でも、もし本当の反乱者が、政府そのものだとしたらどうでしょう。この挑発的な視点を提示したのが、思想家ジョン・ロックです。
ロックによれば、反乱とは、単に特定の為政者に反対することではありません。それは、政府の法や制度に根ざした「権威」そのものへの反対なのです[628]。ですから、力ずくで法を踏みにじり、その侵害を正当化する者たちこそが、真の反乱者ということになります[628]。たとえそれが、権力の座にある人々であってもです。
ロックは、法に逆らって力を行使する権力者の行いを「レベラーレ」という言葉で説明します。これは「戦争状態を再び持ち込む」という意味。彼らは、社会を平和な状態から、むき出しの暴力が支配する戦争状態へと引き戻す、正真正銘の反乱者なのです[629]。
例えば、政府が国民の財産を奪おうとしたり、独断的な権力で人々を奴隷にしようとしたりする。その瞬間、政府は自ら国民との間に戦争状態を作り出したことになります。そして国民は、もはやその政府に従う一切の義務から解放される、とロックは断言します[614]。つまり、不正な政府は自らの正統性を破壊し、国民に服従を求める権利を失うのです。