
エマ
朗読で味わう

ジェイン・オースティン(1775 – 1817)
1815年
「エマ」は、ジェイン・オースティンが描く、おせっかいな令嬢エマの恋愛模様を巡る物語。自信過剰な彼女が繰り広げる騒動は、読者を魅了し、当時の社会風刺を見事に描き出します。人間観察の鋭さやユーモアは、時代を超えて共感を呼びます。
エマ・ウッドハウス。美しく、賢く、そして裕福な21歳。[1] 快適な屋敷に明るい気性、悩みの種などほとんどない、恵まれた暮らしを送っています。[1] 何事も思い通りになるのが当たり前で、自分を少しばかり高く評価しすぎるきらいがありました。[2]
そんな彼女の完璧な日々に、ある日、ささやかな悲しみが訪れます。[3] 長年、家庭教師として、そして親友としてそばにいてくれたミス・テイラーが、結婚してしまったのです。[3] 心配性の父とふたりきり、静かな夜を過ごしながら、エマは寂しさを感じていました。父が嘆きます。「ああ、かわいそうなミス・テイラー! ウェストンさんが彼女を見初めさえしなければ……![4]」
しかしエマは、この寂しさの中に、新しい楽しみを見つけ出します。親しい友人であるナイトリー氏に、彼女は得意げに宣言しました。「あの結婚は、わたくしが取り持ったのですよ。[5]」
ナイトリー氏は冷静です。「成功、ですって? 成功とは努力の末にあるものだ。君のは、ただ運よく言い当てたにすぎない。[6]」
彼の皮肉も、エマの耳には入りません。これほど面白い遊びが、他にあるでしょうか。[7] 彼女は決意を固め、こう告げるのです。「お父様、もう一件だけ。かわいそうなエルトンさんのために、わたくしがお相手を見つけて差し上げなくては。[7]」村の牧師に、彼女の新たな情熱の矢が向けられたのでした。